皆さんこんにちは、TaroTechです。
この記事では「大学院生のための就活戦略」について徹底解説していきます。
私自身も化学系の元大学院生ということで、学業と就活を両立してきました。
今回はこの世のすべての大学院生が確実に就活を成功させるための戦略を惜しみなく披露したいと思います。
私の先輩、友人、後輩すべての元大学院生たちの就活事情をよく知っているので、特に就活を成功させた人たちがどのような戦略をとっていたかこの記事から読み取っていただきたいと思います。
本記事では便利なワークシートも用意していますので、良ければ活用してください!
1.著者の就活生時代の話
私は元々化学系の大学院に通っており、毎日研究室で実験をしておりました。
学科の中ではどちらかというと厳しい方の研究室で、研究室内でESを書いていると時々教授に釘を刺されるような研究室に所属していました。
【著者が就活生だった時のプロフィール】
・化学系大学院生(学歴:旧帝未満の国立)
・コアタイムありの研究室(コアタイム9時間)
・毎日通うことが前提の研究室(週5が当たり前)
・学部時代は就活の経験なし
・TOEIC745点
私の研究室はどちらかというといわゆる就活ガチ勢と呼べるような先輩がおらず、私自身就活の情報集めに大変苦戦しました。
1個上の先輩は全員で7人いましたが、1人だけ夏インターンに1社ほど参加しそれ以外の先輩は誰も夏インターンに参加していないという状況でした。(私の研究室では基本的に推薦を使うのが主流だった)
私はこんな環境にいたため、不安感から人よりも早くから就活することを念頭に置いて動いていました。結果的にこの行動が後々いい方向に動いたので、その体験談から成功のノウハウを学んで欲しいと思い記事にしました。
2.大学院生の就活事情
ここではまず大学院生の就活事情について「大学院の出口」と「企業への応募方法」の2点から解説したいと思います。
大学院の出口について
まずは大学院の出口について解説していきます。
大学院の出口は大きく分けて「卒業して就職」と「ドクター(博士)に進学」の2つに分けることができます。東大や京大のようなアカデミックに強い大学なら話は別ですが、その他大勢の大学の場合、おおよそ「就職:博士=9:1」に分かれます。
つまりこの記事を読んでいるほとんどの人の出口は「就職」になるわけですから、大学院に入った瞬間から就活という出口戦略を立てることが大事です。
大学院生の本業は学業なので研究やゼミ活動をおろそかにしろと言うわけではありませんが、せいぜい残り2年程度の話です。(大学院での留年はもってのほか)
それに対して、就職はそれ以降の数十年を決める可能性もあるわけなので、研究以上に就活には力を入れるべきなのです。
というよりは就活に力を入れてください。アカデミックな世界に進まない人が研究でいくら結果を残せても満足のいく就活ができなければ無駄になってしまします。
なのでこの記事を読んだ今日から戦略を立てて、どうしたら就活がうまくいくかを念頭に置きながら活動するようにしましょう。
企業への応募方法
次に企業への応募方法についてですが、基本的には「推薦応募」と「自由(一般)応募」に2つに分かれます。
推薦応募
まず、「推薦応募」についてですが、種類や仕組みは次のようになっています。
・学校推薦:基本的に大学院における学校推薦は学校そのものというよりは所属の学部、学科やコースに対して直接企業からの推薦募集になる
⇒枠内(人数制限内)であれば誰でも利用可能で、教授からの推薦という形で応募する。企業によっては書類選考、適性検査やGDを免除される可能性がある。
・教授推薦:教授と企業の間にコネがあり、教授に対して直接企業から推薦応募がある
⇒学校推薦同様、教授からの推薦という形で応募する。
また、推薦応募の中にも推薦状を企業に提出するタイミングによって「先出し推薦」と「後付け推薦」に分けることができます。
・先出し推薦:企業の選考が始まる前に推薦状を提出する
⇒選考が始まる前から推薦状を出すため、選考の途中での辞退すらも罪が重い
・後付け推薦:選考の途中もしくは内々定が出た時点で推薦状の提出を求められる推薦
⇒選考途中での辞退はまだギリギリセーフだが、推薦という名目で応募していることには変わりないので非推奨。企業によっては選考の途中で推薦応募とするかどうか聞いてくる企業もある。
大学院生にとっての推薦応募は以上のような種類があります。
さらに推薦応募の特徴は次のようになります。
大学院生(特に理系)にとって推薦応募は選考を優位に進め、早い時期に就活を終わらせるにはうってつけの制度となっています。理系企業の中には、よほど学歴が高くない限り推薦応募が前提のような企業もあります。
そのため、どうしても行きたい企業があるという場合は推薦応募を検討してみるとよいと思います。
ただし、推薦を使って合格した場合には必ずその企業に行くことを約束しなければなりませんので、自由に就活したい人は後述する一般応募をおすすめします。
もし推薦を使って内定をもらった後に辞退するようなことがあると、教授との今後の関係性や学科への将来的な求人への悪影響が懸念されます。推薦を使うときは必ず慎重に検討しましょう。
中には推薦を使ったから簡単に内定を取れるだろうと思う人もいるかもしれませんが、人気企業や大手になると選考ステップが省略されるだけで、落ちるなんてことも全然あり得るので油断は禁物です。
自分の所属学科やコースにどんな推薦応募の求人があるかをあらかじめ確認しておくのも一つの手です。年によって求人が異なる場合もありますが、まずは一年前の推薦応募企業について学科のHPや就職担当の先生を利用して確認しておくとよいでしょう。
自由(一般)応募
自由(一般)応募は推薦応募に比べて自由度の高い応募方法となっています。
特に行きたい企業が決まっていない大学院生や、複数社から内定をもらってからじっくり決めたいと思うような学生はこちらがおすすめです。
時折オワハラ(うちに内々定をもらったら就活を終わらせろと強要してくること)をしてくる企業もありますが、自由応募は原則蹴ることができます。
そのため内定ホルダーを目指したいような学生にとっては自由応募がマストな気がします。
自由応募はその名の通り自由な就活ができるため、業界や職種にとらわれることなく広い視点で就活をしたい学生にはオススメの応募方法です。
ただし、大学院生の特権でもある推薦を使わないということは、わざわざ大学に推薦募集をしている企業からすると、第一志望ではないと思われる可能性が高いことを念頭に置く必要があります。
特にこの傾向は、メーカーの技術職(財閥系や難関企業)に多く見られます。
学科に推薦が来ている企業をあえて一般で受けるということは、暗に第一志望ではないということを示しているととらえられます。
そのため、どこでも欲しがられそうな超優秀な学生以外は想定以上に内々定を取ることが難しくなります。(企業によっては推薦募集しているけどなぜ一般で応募したのと聞いてくる企業もあります)
就活を始めたときはイマイチこの部分が分からないまま受験していましたが、メーカーの技術職はこういった推薦前提という裏があることを常に意識しておいてください。
文系就職や学科に推薦が来ていないような企業を受けるときは上記のようなことは気にする必要ありませんので、しっかり対策して多くのライバルとしのぎを削ってください。
一つの企業にとらわれることなく就活したい場合やいわゆる文系就職をしたい学生は自由応募がオススメ。ただし、メーカーの技術職や専門職のような、学科に対して推薦募集をかけている企業をあえて一般で受けると、内々定を取るのが難しくなるという裏があることを忘れない。
3.大学院生がまずやるべきこと
記事を読んでいただきありがとうございます。
就活戦略を語っていく前に、まずは、大学院生としてやっておくべきことを紹介します。
研究・ゼミ活動の棚卸
大学院生がまずやるべきこと1つ目は「研究・ゼミ活動の棚卸」です。
これはこれから院生になるもしくはすでに院生である理系・文系学生問わずです。
おそらくこの記事を読んでいる大学院生のほとんどの人は研究室やゼミに所属していると思います。
院生の就活においては、受験する企業の業界や職種を問わず高確率で研究活動に関する質問を受けます。
【ESや面接で研究活動に関する質問が来る確率】
・自分の専門分野の技術職⇒100%
・専門外の企業や職種⇒70~80%
企業の人事はあなたの「大学院生(特に理系)」という肩書を見た時点で、「この人は研究をやっている人だ」と判断します。
このような背景があるため、大学院生として就活する以上、「研究・ゼミ・制作活動に関する質問」は避けては通れないということです。
よって大学院生として、まずは「研究の棚卸」をするべきだと言えるのです。
研究の棚卸の観点
やるべきこととして研究の棚卸を挙げさせていただいたので、実際の就活経験を基に、どういった観点で研究やゼミ活動を深掘りすればいいのかについて解説していきます。
【就活における研究の深掘りの観点】
・研究、ゼミ、制作のテーマやタイトル
・背景
・目的
・実際にやったこと
・活動過程で苦労したこと、その原因、どうやって乗り越えたか
・活動における工夫点、オリジナリティ
・現状の結果(都度アップデートすること)
・今後の展望
・(研究の場合)それが企業や社会にどう役立つか、どう活かせるか
・(あれば)活動実績(論文、学会発表、賞獲得など)
経験上このあたりを整理しておくと不安なく就活を進めることができると思います。
自分の専門外を受験する場合なら、基本的には面接をするのが専門外の人になるため上っ面だけ整理すれば何とかなります。(逆に専門用語ばかり使いすぎると文系の人事に嫌われますので、専門外の人にも分かりやすい説明の仕方ができるように練習するとよい)
しかし、自分の専門分野の技術職を受ける場合は、これらを専門レベルでさらに深掘りされていきます(技術面談とかジョブマチングといった名前の面接がこれに該当)。そのため、上記の+αとして卒論や学会で質疑応答するレベルの深掘りを要求されます。
この記事ではワーク用としてお手本付きの簡易的なexcelファイルを用意しましたので是非活用してみてください。
そしてより詳しい研究の深掘りについてはこちらの記事も参考にしてみてください!
⇒理系院生の就活で求められる研究概要の作り方
企業選びの軸を本音ベースで整理する
大学院生がまずやるべきこと2つ目は「企業選びの軸を本音ベースで整理する」です。
おそらくこの記事を読んでいる時点で行きたい業界や企業が決まっている人もいることでしょう。
しかし多くの人はまだ方向性や行きたい業界などが定まっていないと思います。
なので、まずは業界や職種にとらわれることなく自分の本音ベースで企業選びの軸を整理してみましょう。特に気にしておくとよい観点は以下の通りです。
・会社のネームバリュー
・労働環境(勤務地、オフィスの質、転勤の有無)
・給与や福利厚生
・規模感
・社風、企業文化
・やりがい(仕事内容、裁量の大きさ)
・企業の安定感
・セカンドキャリアへの展望
・ワークライフバランス
このような本音ベースでの企業選びの軸は本番の面接では使えません。
しかし、これらを整理することは「あなたの人生観やこれからの人生設計」に大きくかかわってきます。
例えば、若いうちから稼ぎたいならWLBをあきらめて高給ハードワークの企業へ行くのがベストな選択でしょうし、逆に残業が嫌なら高給ではないけれどホワイトな企業を選択するのがベストと言えるでしょう。
また、大手メーカーの研究職によくある話ですが、勤務地が僻地という場合もあります。
特に東京出身の学生。田舎で何十年も研究できますか?
就活をまだ本格的に始める前だからこそ、先入観なしでこういった自分の本音に即した企業選びの軸を決めておくことで、ミスマッチなく効率的に企業探し・企業選びを行うことができます。
逆に自分の本音・欲を明確にしないまま適当に企業を選んでしまうと、入社してから不満ばかりの社会人生活を送る羽目にもなってしまいます。
最強手札である新卒カードは一生で一度しか使えませんので、慎重に軸を定めておきましょう。もちろん就活をやりながら価値観が変わることもあるとは思いますが、いったんはこのタイミングで定めるのが理想です。
ここは非常に大事なポイントになってきますが、結構考えるのが楽しいポイントでもありますので真剣に取り組んでみましょう!
4.就活においてやるべきこと
それではいよいよ就活戦略の核心に迫っていきたいと思います。
ここでは就活全般においてやるべきことについて解説していこうと思います。
このように項目としては6つと少し多いですが、就活において高い結果を残している人たちはこれらをすべてこなしています。
やることが多く大変ではありますが、就活成功への再現性が高まるものばかりなのでできればすべてこなすようにしてください!
それでは一つずつ解説していきます。
自己分析
就活においてやるべきこと1つ目は「自己分析」です。
これに関しては就活を既に終えた人に聞いたら99%の人がやった方がよいと言うでしょう。
就活におけるESや面接においては、常に「あなた自身」の性格・特徴やこれまでの活動について問われます。
大学院生だからという理由であったり、推薦応募だからという理由で面接が緩くなることは基本的にありません。そのため就活を成功させる上では、この自己分析にどこまでの深みを持たせられるかがカギとなってきます。
就活における自己分析に関して最頻出質問は以下のものになります。
・学生時代力を入れたこと(通称:ガクチカ)
⇒基本的には大学生の時のことを指す
・あなたの強み(自己PRと根拠となるエピソード、企業にどう活かせるか)
・あなたの弱みは
・他人からどんな人だと言われるか(他己分析)
・失敗や挫折経験とそれを乗り越えたこと
・モチベーションの源泉
・就活の軸
もちろんこれだけではなく、就活では様々な角度・観点であなたに関する質問が飛んできます。
就活を進めていくにあたって一度「幼少期~現在までの自分史」を作成して、これまでの活動やあなたの内面部分を見直すとよいでしょう。
本選考ではどんな質問に対しても、根拠のある理にかなった回答が求められます。そのとき最も使える根拠はあなたの原体験になります。原体験だけは不変の事実であるため、相手は論理的に否定することはできません。
このように就活における面接ではあなたの原体験が最重要になってきますので、自己分析は必ずやっておくべきだと言えます。
業界・企業研究
就活においてやるべきこと2つ目は「業界・企業研究」です。
こちらも自己分析と並んで就活における必須項目になります。
面接では「あなたに対する質問」ばかり飛んでくると言いましたが、あなたが企業のことをどう思っているかという、いわゆる「志望動機」も大変重要になってきます。
企業からするとそれなりのコストをかけて数多くの学生の中から優秀な学生を採用したいと思っています。それと同時に「内々定を蹴られるリスク」も背負いながら採用しているため、企業としては志望動機を聞くことでその学生の熱意や関心を測ろうとします。
最終的な内々定までを考えたときにライバルと差別化できる「志望動機」を伝えるためにも「業界・企業研究」は大事なのです。
【業界・企業研究の方法や手段】
・説明会
・座談会
・インターン
・ホームページ(IR情報など)
・就活サイト
・書籍
・OB訪問
【業界・企業分析の観点】
・業界の特徴、将来性
・その企業の事業内容
・具体的な業務内容
・企業理念
・社風、企業文化
・競合他社と比較した時の特色、強み、弱み
・その企業における○○という職種の特徴
・想定されるキャリアのパターン
このように業界・企業研究の方法はたくさんあります。使えるものはとことん使っていくことが大事です。
特にOB訪問は、実際に中で働く人の生の声を聞くことができるため、志望動機に深みを持たせることができます。
また、参考として志望動機関連で実際にどんな質問がなされるかについても紹介しておきます。
・志望動機を教えてください
・なぜ○○という業界
・その中でなぜうちの会社なのか
・なぜ○○という職種を希望するのか
・入社して挑戦してみたいこと
・5年後、10年後、20年後のキャリアプラン
など
このように表面的な情報だけでは答えるのが難しい質問もたくさんあります。
企業分析する際はぜひ、社員の人の声も有効活用しながら深みを持たせていけるとよいでしょう。
私自身の話をすると、就活生の時に最終面接まで進めた企業は全部で7社ありましたがそのうち内定をとれたのは2社だけでした。落とされた5社についてはいずれも「志望動機」の部分の詰めが甘かったと自己分析しています。
なので、就活生のあなたがあと一歩のところで悔しい思いをしないよう企業研究は徹底的に行ってほしいと思っています。
ESの添削依頼
就活においてやるべきこと3つ目は「ESの添削依頼」です。
就活では企業にエントリーしてはESを書いて提出するといった作業が大量に発生します。
いきなりESを書き始めると分かると思いますが、意外と文字数制限の中で伝えたい情報を過不足なく書くというのは訓練が必要であるということに気づくと思います。
中には始めから文章がうまい人もいるとは思いますが、基本的には最初はあまりいい文章が書けません。
先に説明した自己分析が終わった後は、応募する企業の質問に対して文章を書いてみましょう。
そして必ず就活経験者や有識者に添削を依頼しましょう。
ESでは第三者が読んで納得感を持つことができるかという「客観的視点」が大事になってきます。
また、評価されるESのフォーマットというのが世の中的には存在しているので、就活を経験した人や有識者見せておくのが良いと言えます。
【おすすめのES添削依頼相手】
・ゼミ、研究室、サークル、部活の先輩
・キャリアセンター
・Twitterにいる就活情報発信者
私は利用していませんでしたが、Twitter上では多くの就活猛者たちがES添削を無料で募集していたりするので、就活用アカウントを作って依頼してみるとよいかと思います。(大手〇社内定、外資IT複数社、Fランから総合商社みたいな成功者がたくさんいるので、使い倒した方が得です)
ESは早い時期からフォーマット化しておくと本選考の時に楽になる。特にガクチカや自己PRといった、どの企業でも聞かれる設問の回答をフォーマット化しておくと強い。
SPIやWEBテストの勉強
就活においてやるべきこと4つ目は「SPIやWEBテストの勉強」です。
就活における選考ではほとんどの企業で適性検査という名の学力試験を受けさせられます。
その中でも特に有名なのが「SPI」という種類の適性検査になります。
SPIとは少し特徴的な数学(非言語と呼ぶ)や国語(言語と呼ぶ)の問題を制限時間内に解き進める形式の試験になります。
またSPIには自宅のパソコンで受験する「web形式」と外部の試験会場で受験する「テストセンター方式」に分かれます。
特にテストセンター方式は不正ができない環境での受験になるためその人の実力が正確に測れます。そういった背景から、多くの難関企業で採用されている方式になります。
そしてこのSPI(テストセンター方式)は試験結果を使いまわすことができる仕組みになっているため、高得点を取ることができれば、就活を優位に進めることができるようになるのです。
そのため早め早めの対策を練っておくことが就活を成功させるための要因になってくるのです。
⇒SPI(テストセンター方式)の仕組みやおすすめの対策時期について
また就活ではSPI以外にもテストの種類があり、多くは自宅のパソコンで受験する形式になるので、総称としてwebテストと呼ばれています。
【SPI以外のWebテストの種類】
テストの種類 | 内容 | 出題科目 |
---|---|---|
玉手箱 | 1問当たりの時間が短く、同じ形式において1種類の問題のみが連続して出題される。 | 四則逆算 (50問/9分) 図表読取 (29問/15分) 表推測 (20問/20分) ※はこの中からどれか一つが計数として出題される |
Web-GAB | 日本エス・エイチ・エル社が提供する能力適性テスト。玉手箱に近い。 | 言語(52問/25分) 計数(40問/35分) パーソナリティ(68問) |
Web-CAB | IT系企業でSE、プログラマー等を採用している企業で利用されることが多い。癖の強い問題が多い。 | 四則逆算 (50問/9分) 法則性 (30問/12分) 命令表 (36問/15分) 暗号 (30問/16分) |
TG-WEB | 他の試験よりも難易度が高いことで有名。ヒューマネージ社という会社が作成している。「従来型」と「新型」の2パターンがあり、それぞれで難易度や出題される問題分野に違いがある。 | 【言語】 従来型:12問/12分 新型:34問/7分 【計数】 従来型:9問/18分 新型:36問分/8分 |
これらについてはもしかすると先輩が解答集を持っていたりするかもしれないので念のためにもらっておくのも手だと思います。
ただ、問題は毎年変わっていると思うので前年の解答集を使おうと思うとヒット率がそこまで高くないことも念頭に置きましょう。
もし解答集が欲しいということなら、インターンでwebテストが課される企業をたくさん受けてその年の解答集を自分で作っておきましょう。そうすれば同じ年の本選考で楽ができるかもしれません。(信頼性の担保がないので、業者から解答集を買うのはそこまでおすすめではない。もし買うなら友人と割り勘で買うとよい)
webテストについてもSPI同様に書籍や実際の企業の選考を通じて場数を踏んでおくのが良いと思います。
面接練習
就活においてやるべきこと5つ目は「面接練習」です。
就活ではES⇒適性検査ときたらいよいよ面接に進めます。就活生の多くはおそらく面接に慣れていない人ばかりだと思います。
せっかく自己分析が完璧だったとしても、面接で自分をアピールできなければ意味がありません。また面接では言いたいことをなんでも言えばいいというものではありません。いわゆる本音と建前が大事になります。
残念ながら日本の就活においては、面接を面接官とのコミュニケーションゲームととらえて一般的なテクニックでガチガチで臨んだ方が成功率は高くなります。(←ココ著者的に就活の一番嫌いなところ)
【一般的な面接テクニック】
・結論ファーストでPREP法を意識
・要求がない限り長くても1分以内で話す
・明るくはきはきと
・思ってなくても第一志望もしくはそれ相応の志望度であると示す(←一番嫌い)
・明るくはきはきと話す
・能力を過度にアピールしない(自慢ばかりしない)
⇒ほかにもテクニックはたくさんあります
このようにテクニックはたくさんあるので、面接練習をして自己分析と合わせて様々な質問に対応できるようにしましょう。基本的な質問だったら何も考えずにすらすら回答が出てくるレベルが理想です。
また面接練習をすることで、自分の気づかない口癖に気づけたり、共通前提のない相手にも分かりやすく伝える力が身についていきます。
成功者はほぼ全員がこの「面接練習」の量をこなしているので、徹底的に深掘りの訓練を積みましょう。
(面接練習している人とそうでない人の面接の質は明らかに異なります。1回だけでもいいので嫌でも面接練習だけは絶対やりましょう。)
【面接練習について】
・選考外で練習する
⇒先輩、友人、Twitterの有識者と模擬面接を繰り返す
・実際の企業で場数を踏む
⇒持ち駒を増やす・オファー型サイトからオファーをもらった企業で本番を経験する・早期選考のある企業で力試しする
インターン応募・参加(複数daysがおすすめ)
就活においてやるべきこと6つ目は「インターン応募・参加」です。
これについては経験上、就活成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。
時々インターンに応募すらしない人も見かけますが、はっきり言ってもったいないです。
(はじめから推薦応募前提で就活を考えている大学院生に多く見られる)
個人的にはインターンに応募・参加することには大きなメリットが3つあると考えています。
早い時期から選考の経験値を積める
インターンに応募する行為自体にまず意味があります。
インターンでは本選考同様にES、適性検査、面接が実施されます。つまりインターンに応募することでたとえインターンそのものに参加できなくても選考の経験値を早くから積んでおくことができるのです。
先にも述べていたようにESは一度良いものを書けば、それ以降の選考で使いまわしが可能になります。選考(特に難易度の高い夏インターン)に通過すればもうそれはESとしての完成度はかなり高いということになりますので、本選考でそのまま使いまわしも可能になります。
落ちてしまった場合は、また次の選考に向けてブラッシュアップすればいいのでどっちにしてもいいことしかありません。
複数daysのインターンを勧める理由は、1dayだと面接が無かったり選考が緩かったりする場合が多いから。一方で、複数daysは高い確率で選考の一連を経験することができます。もっと言うと冬よりも夏の方が学生のレベルが高い(早くから情報を集めて動いている学生が参加者となる)ので、刺激をもらうという意味では夏の方がおすすめです。
企業によっては本選考よりも夏インターンの方がESの審査が厳しかったりします。その背景にあるのは、優秀な学生を早い時期から囲い込んでおきたいという企業の思惑が関係しています。そのためインターンに落ちたからと言って焦らなくても大丈夫です。メーカーの技術職とかの夏インターンは最低でも関関同立レベルなんて企業もありました。(某財閥化学メーカー)
本選考における早期選考という特典が期待できる
これもインターンに参加するうまみの一つだと思います。
求人にはよく「本インターンは選考と一切関係ありません」と書かれていますが、企業によっては大嘘の場合があります。
特に夏のインターンは、まだ周りの学生が動き始めてないときから就活をしている人が選別されて参加しているインターンですから、はっきり言って学生のレベルは高いです。
なので企業はインターン参加者に対してバンバン早期選考の案内を送ってきます。(企業は早期選考とは一言も言わないが、明らかに一般とはルートが違うことに気づく)
よって、業界によらずインターンに参加することで早期選考という特典を期待できるというのがメリットだと思います。
【実際に過去に早期選考を確認できた企業】
AGC/三井化学/ライオン/KOSE/資生堂/日本総合研究所/NTTデータ/野村総合研究所/総合商社全般/花王/住友化学/信越化学/日東電工など
ちなみにメインテーマである大学院生の就活という観点でみると、メーカーの技術職系の複数daysインターンはほとんどの確率で早期選考があります。今の時点で研究職や専門職を志望している学生は必ずインターンに応募しておこう。
就活モチベの高い他大学の学生と交流できる
今就活を振り返ると、個人的にはこれが一番のメリットだったように感じます。
インターンに参加する学生というのは、少なくとも就活に対しての主体性は高く行動力がある人ばかりです。このような普段は関わることのできない優秀な他大学の学生と交流できるというのは大きな財産になります。
私としては以下の3つの観点から大きな財産になると考えています。
「情報交換」・「刺激を受ける」・「新たな交友関係づくり」
まずは、自分の普段のコミュニティ内だけでは得られない情報が得られるということです。就活は情報をたくさん持っている人が有利な側面(面接のこととか)があるので、他大学の学生から新しい情報が得られるというのはその後の就活に生きてきます。
また、優秀な学生と交流することで刺激がもらえたり、モチベの下がっている自分を奮い立たせることもできます。
そして何よりインターンでは多くの就活仲間ひいては就活が終わった後も関係を継続できる友人ができます。
インターンでは多くの企業でグループワークがあり、そこではたくさんコミュニケーションを取ります。みな同じ就活生という仲間なので、次第に仲良くなり、人によっては長期的な関係を構築することができます。(出会い厨にはならないように気を付けましょう)
就活はうまくいくことばかりではないが、楽しんでいる人の方がうまくいく傾向にある。なぜなら楽しんでいるときのイキイキとした表情や思いが人事や面接官に伝わるから。
自分の将来を設計していると思って就活を楽しもう。
OB訪問
就活においてやるべきこと7つ目は「OB訪問」です。
これについては全員が必ずやるべきことではありませんが、志望者の多い人気企業(コンサル、総合商社、SIer、広告など)を受ける学生は是非ともやっておいてほしいものになります。
OB訪問が効果的になるのは、同じ業界の中で企業ごとの事業内容の差別化が難しい場合
業界によっては企業ごとの事業内容に大きな差がない場合があります。上記で挙げた総合商社、コンサル、SIer、広告などは特にこの傾向が強くなります。
実際に、こういった業界から一つの企業に絞って志望動機を語ろうとするのは結構難しいです。
この時にOB訪問が有効になります。
OB訪問では実際にその企業で働いている人に話を聞くことができるため、志望動機に深みを持たせることができ、同業他社との差別化に役立ちます。
また、OB訪問をすることで、その企業の社員の方と交流できる訳なので、「人」という企業選定理由も使えるようになります。(⇒5大総合商社などではよく見かける)
このようにOB訪問をすることで特に志望動機の部分をブラッシュアップできます。
OB訪問では志望動機の差別化だけでなく、自分が調べたことを基にした「仮説検証」の役割も担っています。企業を調べていてわからないことがあれば、ぜひOB訪問で「△△について○○だと考えているのですが合っていますか?」と聞いてみるのもよいでしょう。
また、人によっては選考対策を受けていただける社員の方もいるので、志望動機やガクチカなどを話してみる(通称:壁打ち)のもよいでしょう。
5.就活に向けた準備
それでは次に就活においてやるべきことなどに即した準備について紹介していきます。
特に就活で使える・よく使うサイトやサービスについてリンクを掲載しておくので、記事をブックマークして空いた時間に一個ずつ登録しておくとよいでしょう。
この章の最後にリンクをまとめて掲載しておいたので登録しておきましょう。
【企業へのプレエントリーやインターンの応募】
・マイナビ
・リクナビ
⇒片方にしか企業情報が掲載されていないという場合があるので両方登録しておくこと。
・企業の採用ページ(基本的にはインターン用と本選考用は別扱い)
⇒マイナビ、リクナビにない企業もあるので注意。こっちの方が確実にエントリーできる。
まずは王道のマイナビとリクナビは登録しておきましょう。企業を探したいときに役立つのでなんやかんや使います。また、就活解禁(3/1)時期になるとサイトが重くなってすぐにエントリーできなくて説明会が満席になるなんてことも起こります。そんな時にマイナビ・リクナビではプレエントリー機能があるので焦らなくても済みます。
【ESや面接の情報収集や企業の情報収集に役立つサイト】
・ONECAREER
⇒情報量が圧倒的ナンバーワンなので絶対登録すること。
・外資就活
⇒難関企業の情報が他サイトよりも充実している(外銀、総合商社、戦コン志望者はこのサイトが一番かなと思う)。
・unistyle
⇒ONECAREERと同様。就活ノウハウが豊富
・就活会議
⇒ONECAREERと同様。
・openwork
⇒実際に働く人や既に退社した人の口コミが読める。ざっくりとした年収や残業時間も載っている。企業のエゴサをするという観点で後述するオファー型就活サイトと相性がいい。
世の中にはありとあらゆる就活サイトが群雄割拠していますが、とりあえず上の5つ登録しておけば何とかなります。
【OB訪問アプリ・サービス】
・ビズリーチキャンパス
⇒高学歴(東京一工、旧帝、早慶、中堅国公立、マーチレベル)の学生しか使えない秘伝のサービス
・OBトーク
⇒誰でも使えるアプリ
・マッチャー
⇒誰でも使えて、登録されている社会人の属性が多種多様(たまに変に人がいるという情報あり)
・Twitterで有識者にDM
OB訪問アプリについても世の中にはたくさんのサービスがあるようですが、とりあえず上記の3つを登録しておけばほぼすべての企業に対応できると思います。
【役に立つ就活本】
確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく
⇒就活本の決定本的存在。とりあえずこれ一冊読めば就活の全体像は分かる。
史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集/SPI&テストセンター1200題
⇒SPIの対策本。どちらかで演習を積んでおけばSPIで困らなくなる。
問題を解く力を鍛えるケース問題ノート
⇒インターンのグループワークやGDでの思考に役立つ
会社四季報 業界地図(東洋経済新報社)
⇒約170業界の代表的な企業の関係図や今後の展望がまとめられた一冊。企業探しにとても役立つ。ブラック・ホワイトに関わらずこの本に載っているかどうかが一流企業の指標になると思う。
就活本も世の中には無数に存在していますが、長年多くの学生に愛用されている就活本はこのあたりになります。
【企業の持ち駒を増やす、面接練習用の企業を探す(無料サービス)】
・LabBase(ラボベース)
⇒大学院生ならまずこれ。登録企業の量は少ないが質は一番高い。(※記事では理系院生専用と言っていますが、文系の院生にも有用です)
・アカリク
⇒一応エージェントと相談はできる(ラボベースはできない)。一応それなりの大手は登録されている。ラボベースとの併用を推奨。
・オファーボックス
⇒内定をもらってその企業に行くというよりは面接練習を積む用。プロフィールをしっかり埋めればオファーはめちゃくちゃ来る。openworkと併用して、めぼしい企業に出会えれば面接練習してみるとよい。
【就活中の学習・時事情報収集】
・新聞
⇒時事ネタ集めに最適。特に総合商社やコンサルを目指す人は念のために時事も押さえておくと面接を安心して迎えられる。
⇒世界最大級の学習プラットフォームで、大学では学べないようなマーケティングやエクセルスキルなど今後に役立つ情報がたくさん学べる。就活中でも内定後でも自己研鑽にはかなり使える。ただし1つ1つの講座は少し高いのでセール中に購入することをおすすめする。
サイトリンクまとめ
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6.成功者に学ぶ就活スケジュール
それでは就活を優位に進めるための就活スケジュールについて紹介していきます。
スケジュールの全体像
・3月~院1年4月:就活を始める
⇒研究の棚卸、人生設計、情報収集、自己分析
・5月末~8月頭:夏インターンの選考
・8月~11月:夏・秋インターン
⇒外資系(特にトップメーカーや戦コン)は10月あたりから本選考が始まる
・12月:冬インターンの選考
⇒このあたりからOB訪問を始めてみるのもよい
・1月~2月:冬インターン
⇒早い企業では1月から夏インターン経由の早期選考が始まる
・3月~:本選考
院生の就活スケジュールの全体感は上記のように考えることができます。
やはり意欲が高ければ夏インターンに挑戦していただきたいので、4年の3月か院になりたての4月くらいからは就活を始めるとよいです。
また、就活に出遅れてしまった場合も冬インターンあたりからは参加していただきたいので、10月くらいからは就活を意識し始めるとよいでしょう。
それではもう少し詳細に解説していきます。
院1年4月
冒頭で説明したようにまずは企業選びの本音軸決めと研究の棚卸から始めましょう。
この作業が終わったら次はなんとなくでいいので興味のある業界や企業をピックアップしてみましょう。この時に役立つのが途中で紹介した「会社四季報 業界地図」になります。
まずは自分の専門分野や興味にとらわれず、様々な業界を覗いてみましょう。
なんとなく知っている企業を選ぶのも一つの手です。
この時点で志望する業界や職種を絞ってしまうのはもったいない
大学院生にありがちなのが、自分は化学系だから研究職に就くと始めから決めてしまうことです。もちろん本当に興味があるなら問題ないですが、大学院生は学部生よりも目指せる業界や職種は幅広いです。なので最初から絞ってしまうのではなく、まずは広い視野を持ったうえで少しづつ業界や企業を絞っていくとよいです。
大学院生は学部生よりも就ける職種の幅が広い。だからこそ広い視野を持って業界を広く見よう。業界研究を進める上で業界や企業を絞っていこう。
いくつか興味のある業界や企業を選んだら、自己分析の前に就活サイトで情報を収集してみましょう。
あえてESや面接で問われる質問から確認することで、選考に通過するレベルの受け答えや頻出の質問を知ることができます。これによってゴール(選考通過)から逆算して自己分析を効率よく行うことができます。
また自己分析と並行しながらSPIやwebテストの勉強も進めておきましょう。
SPIのテストセンター方式は点数を知ることはできませんが、高得点目安があります。
もし高得点を取ることができていればその結果をそのままテストセンターを課している他の企業にも使いまわすことができます。
早めに対策しておくと後から勉強しなくてもよくなります。
5月~8月
この時期からは極力毎日マイナビやリクナビを眺めながら、企業のインターン応募時期の情報をキャッチしておきます。締め切りが過ぎてしまっては後の祭りです。できれば毎日確認しましょう。
企業にエントリーしたら早速ESを書いてみましょう。最初は完璧を目指さなくていいのである程度のクオリティで完成したら添削してもらいましょう。
早い企業だと5月末から選考が始まるので並行して面接の練習も挟んでいきましょう。
また、4月のうちに棚卸しておいた研究内容を用いて逆オファー型就活サービス(特にラボベース)も運用し始めましょう。オファーをもらう時期が早いほど採用の枠にも余裕がありますし、まだ登録者が少ない分目立つことができます。
インターン優遇ルートがある企業のインターンに優先的に応募する。
この時期は夏インターンの選考対策に全力を注ごう。
8月~11月
選考に通過することができれば夏インターン参加になります。
おそらくほぼすべての企業で企業説明やグループワークを体験できます。
この時期にグループワークを体験しておくと、冬インターンでは周りにグループワーク力で差をつけることができます。冬インターンで初めてグループワークを経験するといった学生も多い中で、ワークの推進力がついていると間違いなく活躍することができます。
そしてその活躍を認めてもらえれば早期選考にも呼んでもらえますので、夏インターンでグループワークを経験しておくのはとても良いことだと言えます。
夏インターンに参加してみてしっくりくる業界もあればイマイチな業界も出てくるでしょう。夏インターンでは自分の興味が湧きそうな業界を見極める場にもできますので企業説明はよく聞いておきましょう。また、他の参加者とは必ずLINEを交換しておきましょう。
この時期はインターンがないと少し就活に余裕ができます。その時は夏インターンの反省および学業に真摯に向き合いましょう。大学院生である以上、学業もきっちりこなしておかないと卒業が危うくなる場合があります。
分野によっては学会等もあることだと思うのでこの間に実績を積んでおくのも一つの手です。研究活動にも力を注ぎ、本選考に向けて研究結果や成果を増やしておきましょう。
外資を希望している人は10月あたりから本選考が始まるので、必ずインターンに参加し準備に時間を使いましょう。冬インターンルートからの枠もあるが夏よりも厳しいとの噂がある。
就活に出遅れてしまった人もできれば10月か11月あたりから就活のことを少しずつ考えていけるといいかなと思います。
12月
年内最後の月は冬インターンの選考が行われる可能性が高いです。
夏インターンで参加できなかった企業やそもそも応募しなかった企業の最後のインターンチャンスになります。
夏同様に冬インターンも優遇ルートが存在する企業はたくさん存在しますので、ONECAREERなどで優遇ルートの有無を確認しておきましょう。
また、商社・デべ・メガバンクをはじめとした人気企業を狙っている人はこのあたりからOB訪問も順次取り入れていきましょう。本選考が近づくとOBのスケジュールがつかなくなったりそもそも自分のスケジュールに余裕がなくなってきますので、この時期辺りはOB訪問に適した時期と言えます。
ちなみに年末年始を挟みますがこの時期はそこまで就活を意識しなくて大丈夫です。
オンとオフの切り替えも大事なので思いっきり正月を楽しみましょう。
1月~2月
この時期は冬インターンがある一方で、企業によっては早期選考も開始していきます。ここからの選考は「内々定を出すか出さないか」の話になってくるので、面接の難易度が高くなります。
早期選考だからと言って油断していると普通に落ちるので、通常ルートの本選考が少し早まっただけだと思って気を緩めずに対策を万全に行いましょう。
本選考自体も早い企業だと3月から始まり、怒涛のES・テストラッシュが襲ってきますのでこの時期を使って研究概要や頻出設問のESをフォーマット化しておきましょう。
学科やコース(学校)に対する推薦の募集もこのあたりから始まります。推薦応募で考えている人は就職担当の先生や募集要項を確認して準備しておきましょう。
3月~
いよいよ就活解禁です。
この時期からは多くの学生が焦って就活を始めてくるため次々とライバルが増えてきます。
3/1付近は就活サイトにアクセスが集中しエントリーできないという事態が発生することが予想されます。焦らず確実にエントリーしましょう。
また、この月から人によっては毎日説明会やESの締め切りさらには面接と様々なイベントに追われます。イベントが増えてくるといわゆるブッチの危険性も出てきますので、必ずスケジュール帳に選考日程をメモしておきましょう。
この時期からは面接練習の回数も増やしていこう。また実際の面接で聞かれたことは必ずメモして次の面接に活かすようにしておくとよい。特に答えづらかった質問は自己分析の甘い部分なのでリクルーターやOBを使って解消しておくこと。
商社やデベロッパーを受けることを予定している学生は選考までに1社くらいは内定を保持しておけるとよいかと思います。基本的には6/1まで選考が始まらないので、周りにどんどん内定が出始めると大きな焦りと不安に襲われます。
たとえ第一志望ではないとしても1社くらいは内定を持っておけると全力で選考に向かって行くことができます。
7.大学院生の就活におけるアレコレ
最後に大学院生の就活に関する様々な悩みや疑問について紹介していこうと思います。
教授が就活に難色を示す
研究活動に関するディスカッションを提案して、研究に対する熱意をアピールするという名目(教授に媚を売る)で就活のための準備をしよう
毎年一定数の院生が「研究室が厳しくて就活に時間を割けない」という意見を持っていると思います。その解決策として上記の案を提案します。
冒頭でも述べたように、院生の就活では高確率で研究に関する質問を受けます。その回答を準備するために教授とディスカッションしてみましょう。
多くの教授はおそらく研究に対する熱意をアピールすると喜ぶと思いますし、まじめに研究にも向き合っておけば罪悪感なく就活も進めることができます。
教授へのアピールにもつながると同時に研究の棚卸も進みますのでお勧めです。
あとは教授の目の届かないところでESや面接練習は行うようにしてください。
なお、本当に厳しくてインターンすらも碌に行かせてくれない教授がいるとは思いますが、その時は体調不良を使ってインターンに行ってください。あまりに多用しすぎると怪しまれますので、本当にインターンに行っておきたい企業をピックアップしておきましょう。
あなたの人生がかかっているので、やりすぎない程度に就活にも力を注いでおいた方がよいです。
教授との良い関係性を作るのは社会に出てからの人間関係形成にも役に立つと思います。教授はこの世でも特に癖の強い人たちの集まりなので、この人たちと良好な関係を作る努力をすれば、それ以降の社会人生活でも世渡り上手になれるかもしれません。
学業(研究、授業、ゼミ)と就活はどちらを優先すべきか
研究は就活が終わってからでも追いつきをかければいいので就活を優先するべき。ただし院の授業や週次のゼミはイベントと被せないようにしておくのが吉。
研究熱心な院生には申し訳ありませんが、個人的には就活期間は就活にウェイトを置いた方がよいと思います。私もそうでしたが、研究は最悪就活が終わってから本気を出せば、それなりの成果を上げて査読付きの論文を出せるレベルまでもっていくこともできます。
就活は周りのライバルがいますし、自分のペースでどうにかなるものではありません。企業も締め切りを設けて待ってはくれません。
最初にも述べましたが、アカデミックに行くなら別ですが、まずは大学院を出た後の自分の進路を確保する方が先決です。
ただし、大学院の授業や研究室単位でのゼミは休んではいけません。進路を確保するのは大事ですが、そもそも授業の単位が足りないということやゼミを休みまくって教授に嫌われるというのは院生にとっては最悪なので、これに関しては学業優先でお願いします。
ちなみに化学科から行けるメーカーのトップ層(FUJIFILM、旭化成、信越化学あたり)は研究への向き合い方やそもそもの結果の部分も重視されますので、トップ企業志望の人は研究もそれ相応に頑張っておかないと選考は突破できません。
院生は何社くらいエントリーするものなのか
エントリー数は人それぞれ。あまりにもエントリーしすぎると一つ一つの企業の企業分析が追い付かなくなる懸念アリ。逆に少なすぎても落ちたときのリスクが大きすぎるので危険。自分の能力や状況に応じて数は見極めよう。個人的には、インターンは出せるだけ出す、本選考では2~3業界で5社~10社ずつくらいエントリーするのが良いと考えている。
こちらも毎年多くの院生が悩むポイントだと思います。
率直に言うと人によって量は調節すればいいと思います。ただ院生は学部生と違って研究活動も並行して行わなければないので、就活プロみたいに100社とかエントリーするのはお勧めできません。
就活で大事なのは、エントリーする量ではなく企業ごとの対策の質なので「受かれば行ってもいいと思える企業」に絞った方がよいかなと思います。
私の周りでも数社しか出さない代わりに全部の企業をがちがちに対策して内定率80%みたいな人もいたので、結局は自分がどこまで企業分析の質を担保できるかという能力に応じてエントリーすればいいという話になります。
インターンは興味や向き不向きな業界を見定める場でもあると説明したので、こっちに関しては数に制限をかけずにたくさん応募した方がよいと思います。
その分本選考で有利になる企業も増える可能性がアップします。
自分の専門外の企業を受ける
文系就職を目指す場合や未経験者OK(大手のSIerなどは多い)の業界を受けるときはそこまで自分の専門分野を気にする必要はない。ただし技術職(特に研究職)で考えている場合は、自分の現状の研究内容と企業の研究分野とのマッチングを考慮した方がよい。
文系の大学院生はそこまで気にする必要はありませんが、理系の院生で特に研究系の分野に所属している人は自分の専門分野が何かを把握しておくことは大変重要です。
【私の学科でよくあった失敗例】
・有機化学出身で飲料メーカー、食品メーカー、製薬メーカーの研究職を狙う
⇒より専門的に学んでいる学生に勝てない(バイオ、食品科学、薬学部出身者)
特に業界ごとの最大手クラスにおける研究職では、企業での研究と大学院での研究のマッチングを測られる場合が大変多いです。
なので無暗に自分の興味だけで研究職に特攻すると普通に撃沈します。最初は私もこのことが分かりませんでしたが、自分の専門分野から外れた企業の研究職を目指すのは相当難易度が高いので覚悟しておいてください。
過去5年分の学科からの進路実績が自分の目指せる企業の目安になる。特に自分の研究室やゼミの先輩の進路先企業が一番参考になる。
これは体感なので根拠はありませんが、自分の研究室の先輩が行った企業は他の企業よりも内々定が取りやすい気がします。ノウハウも蓄積されていますし、研究分野のマッチングという観点でも親和性が高いということなのかなと思います。
また、自分の専門とは全く関係のない職種や業界を受けるときに関しては特に研究内容のマッチングを意識する必要はありません。
ただし、高確率で以下のように質問が来るのでそのことだけは頭に入れておきましょう。
【化学→SIer(ITの1種業態)を志望していた時の質問】
・なぜ化学科を目指したのですか?
・なぜ化学の専門性が高いのにSIerという業界を志望するのか?
・なぜ研究職を目指せるのに目指さないのか?
このようにあえて専門分野を目指さない理由が問われますので、なるべくポジティブな理由を考えておくとよいでしょう。(ドロップアウトしたとか研究職を嫌がっていると思われないように気を付けること)
研究職は好きだけど勤務地が僻地にある
一応首都圏(東京、埼玉、神奈川、千葉)に研究所がある企業もあるので狙ってみること。ただし他の企業に比べて難易度は格段に高い。自分が勤務地に対してこだわりを持っているかどうかで研究職という職種を目指すかも決めた方がよい。
私も就活生時代にここを一番悩みました。
せっかく化学系の大学院まで進んだはいいものの、いざ企業を探してみると研究所が僻地にある会社ばかりでした。また立地のいいところに研究所がある企業もありますが、軒並み難易度が高いため、なかなか内定が取れませんでした。
記事の冒頭で示したように、自分の本音軸の価値観が今後の人生設計に大きく響いてきますのでこの辺りは慎重に選定していただけたらなと思います。
【技術職でも関東勤務の可能性が高い企業】
<電機系>
ソニー/ディスコ(半導体製造装置)/オリンパス
<化粧品系>
資生堂/KOSE/アルビオン/DHC
<食品系>
日清オイリオ/日清食品/味の素/ヤクルト/味の素冷凍食品/明治ホールディングス/キッコーマン
<素材・化学>
ADEKA/AGC/富士フイルム(品川から新幹線通勤可)/長谷川香料/高砂香料/三井化学/ライオン/ミヨシ油脂/関西ペイント/エステー
有名どころだと上記の企業あたりが関東で研究職ができる可能性の高い企業になります。もちろん難易度は高いですが挑戦してみる価値のある会社ばかりです。
他にもあるかもしれないので、一度インターネットで「○○(企業名) 研究拠点」と調べてみるとよいでしょう。
資格を持っていた方がよいのか
難易度の高いものなら話は別だが、新卒就活では資格の優位性はほぼないため資格は持っていなくてよい。ただし、資格取得に至るまでのプロセスをガクチカや業界興味の根拠として使うのは戦略としてよい。
この質問は大学院生に限らず多くの学生にとって永遠の悩みだと思います。
特にInstagramで就活に関して発信しているアカウント見てるとどや顔で資格を紹介していますが、うーんといった感じです。
確かにMOSとかは実務的な資格という観点では役に立つかもしれませんが、新卒就活という観点から見たら別に持っていたからどうってことのない資格だと思います。
TOEICもよく話題に上がりますが、勤勉さをアピールするにはいいかもしれませんが、英語を使わないような会社を目指すの人にとってはTOEICの点が高くても正直意味がありません。むしろ面接力高くないとそもそも内々定取れません。
資格はあくまでも補助的な意味合いしか持たないので過度な期待は持たなくて結構です。
ただし、ガクチカが全然ないという学生や業界に対する興味関心の根拠を持たせるという観点では資格習得は役に立ちますので、一応就活界隈で優位性の高い資格を紹介しておきます。
【新卒就活で一応役に立つかもしれない資格】
・宅地建物取引士資格試験(通称:宅建)
⇒不動産業界で営業するときに給料が加算されることが多い。不動産の営業部では従業員の5人に1人は宅建取得者がいなければならないというルールがあるため重宝されやすい。資格取得の難易度も他の資格より高い。
・基本情報技術者試験
⇒システム開発を行う会社(通称:SIer)業界では入社後に高い確率で取得を強制される。同じIT系の資格でITパスポート(資格としてしょぼすぎる)もあるが、こっちの方が難易度的にも将来性でもアピールできる。午前試験はIPパスポートとほぼ同難易度なため、午後試験さえ乗り切れれば上位互換の資格習得者になれる。
・TOEIC(800点以上)
⇒国際系の部署をめざしたいやグローバルに活躍したいという発言の裏付けを取るための手段にはいい。また、なんやかんや転職活動するときに高得点を持っているとキャリアアップにつなぎやすい。SPIの英語の勉強のついでにもなる。
・簿記(2級以上)
⇒コンサル業界とか受けるときは簿記のことを知っておいた方がよい場合もあるので取得しておいても損はしない。あとは社会人生活において簿記の概念はめちゃくちゃ重要なので、もはや賢く生きる上で必要な知識が得られる。
・士業に必要な資格やマニアックなもの
⇒司法試験/弁理士/不動産鑑定士/中小企業診断士など
この記事を読んでいる方はおそらくそれなりに賢い人だと思うので、独学でも十分だと思います。
資格を取得したことをガクチカとしたいけど自信がないという学生はスタディングあたりで勉強してみるとよいと思います。そしてその過程をガクチカとしてアピールするとよいと思います。
私もスタディングを使ったことがありますが、他のサイトよりも安くて質が高いというのがおすすめポイントです。映像授業メインでオリジナルのテキストと合わせて学習できるので、電車の中でも家でも授業を受けることができるのが魅力的です。
学歴フィルターについて
大学院生では学歴フィルターをそこまで気にする必要はない。ただし戦コンは超学歴主義なので迂闊にESを出さないこと(対策に時間はかかるのに全然通らないことがザラ)。また、財閥系のインターンも学歴はかなりシビアな印象がある。
学歴フィルターについてですが、基本的に院生という時点でそこまで気にする必要はないかと思います。そもそも就活自体、大学に関係なくだれもがきっちり対策をして臨めばフィルターなんてものに引っかかることはありません(いわゆるFランが選考で苦戦するのはテストでいい点が取れてないからということが多い)。
ただし、戦コンや財閥系のメーカーやディベロッパーを志望する際は注意が必要です。
このあたりはいまだに学歴至上主義な風潮が残っており、時に夏インターンなどは相応の大学群のレベルの学生しか通りません。
【就活中に感じた学歴の壁】
某財閥化学メーカーの夏インターンにおいて、参加者の学歴内訳が最低でも関関同立か金岡千広といった地方中堅国公立ということがあった。
このようにメーカーの中でもトップ層クラスのインターンではMARCH以下がいないなんてこともよくあるので、その辺の学歴フィルターは存在しているということを覚悟しておきましょう。
本選考ではそのあたりのフィルターがやや緩くなるので、あきらめずに狙ってみてもいいかもしれません。
イベントの名称に惑わされるな
就活では「面接」という名称がついていなくても選考である場合が多い。常にイベントの名称に惑わされることなく、社員と交流するときは必ず言動を評価されていると考えた方がよい。
時々オープンチャットを眺めていると「○○というイベントって何ですか」と質問する人を見かけます。確かに選考かどうかは気になるところだと思いますが、他の人からの情報を鵜呑みにして安心してはいけません。
イベントとして学生を招集する以上は何かしらの形で見られていると思ってください。座談会での積極性、質問内容の質、立ち振る舞いなどすべてに神経を集中させてアピールするぐらいの覚悟で臨んでほしいと思います。
8.まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は大学院生の就活戦略ということで、何人もの院生たちによる就活体験談をもとにノウハウを解説してきました。
せっかく大学院まで進んだからにはそれなりの企業を目指したいと思う人もいますよね。
この記事では大学院生界隈の就活事情についてフォーカスしているので、ぜひこの記事をブックマークしておいて都度見返してもらえるといいかなと思います。
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ぜひ戦略的に就活を進めて希望企業からの内々定を勝ち取っていきましょう。
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